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ケーススタディ

会社をリタイヤし、地域貢献を考えたビジネスを行おうと考えているDさん


【関川】
こんにちは。

【D様】
こんにちは。

【関川】
今日は、わざわざご足労いただきまして、誠にありがとうございました。

【D様】
実は、昔ここら辺で仕事をしていてね。懐かしいよ。

【関川】
そうなんですね。よかったら、その当時のお話もお聞かせ下さい。

(10分経過)

【関川】
昔はそんなところだったんですね。さて、今回は会社設立をお考えとのことで、どのようなビジネスをお考えですか。

【D様】
私も40年以上、一つの会社に勤めていてね、その会社を1年前に退職したんだよ。最初は、自宅でのんびりしていたんだけど、なんか物足りなくてね。何か地域貢献をするビジネスをしたいんだ。

【関川】
具体的に、どのようなビジネスをするのかは、決まっていないのですか?

【D様】
実はそうなんだ。ただ、大まかなビジネスプランはあるんだけど、聞いてもらえるかな?

(10分経過)

【関川】
概ねの理解はできました。ビジネスマンに対する教育の場を提供するサービスですね。ちなみに、株式会社を設立したいとか、そのようなお考えはありますか?

【D様】
まあ、こだわってはないね。

【関川】
そうですか。今回のビジネスには、「一般社団法人」や」「一般財団法人」という法人形態で行ってみるのも面白いですよ。

【D様】
社団法人や財団法人は、非営利団体じゃないのか?しかも、設立までこぎつけるのは大変だし、そんな大がかりなことをやるつもりもないよ。

【関川】
実は、今現在の社団法人や財団法人は、すべてがすべて、「非営利団体」というわけでもないのです。最近、新しい法律が施行されまして、一般社団法人や一般財団法人という法人形態を、株式会社と同じくらいの手間で設立することができるようになったんです。D様が必要書類を揃えていただければ、たとえば今日一日で設立までこぎつけることができます。これは、官庁の許可が必要な、たとえばNPO法人を設立するよりもはるかに簡単なものになります。ちなみに、D様がおっしゃっているのは、「公益社団法人」や「公益財団法人」として、今現在も存在しておりまして、こちらの方に関しては、もちろん今でも設立に大きなハードルがあります。ただ、要件さえ満たせば、一般社団法人や一般財団法人から「公益社団法人」「公益財団法人」になることもできますので、その点を考えて設立される方もいらっしゃいます。ただ、そのような場合には、私だけでは対応できませんので、たとえば会計士や税理士、あとは、弁護士の方とチームを組んで対応させていただくようになります。

【D様】
そうなんだ。じゃあ、その一般社団法人について説明してくれよ。

【関川】
かしこまりました。一般社団法人とは、二人以上の人(個人もしくは法人)が集まることによって、設立することができます。設立の手続きは、概ね株式会社の設立方法に似ています。設立にあたり、出資金を集める必要がないというところなどが、大きな違いになりますが、ここではマニアックな話はやめますね。

【D様】
株式会社とは違う、一般社団法人の特徴を教えてくれないか?

【関川】
そうですね。まず挙げられるのが、社員(株式会社で言う株主)に利益の分配などを原則的にしてはいけないということです。また、法人が解散した際に、財産を分配しますが、株式会社においては株主が最終的に会社に残った財産の分配を受ける権利を当然のように与えられている反面、一般社団法人の社員には、そのような権利は約束されておりません。なので、たとえば、D様と奥様二人で一般社団法人を設立した後に、三人の社員を増やしたとします。その後、何の手だてもしないで、法人に1億円の資産を留保した状態で解散をした時、当然に社員である5名に残余財産を分配されるというわけではなく、改めて、社員によって残余財産の分配先を決めることになります。そこで、お気づきになられるかとは思いますが、D様と奥様が、残余財産の分配先は社員にしようとおっしゃったとしても、他の三人が反対してしまうと、せっかく築きあげた財産が、第三者の手に行ってしまう可能性があるのです。

【D様】
それは困るなあ。

【関川】
ただ、それに関しては、幾らでも事前策を講じ得ますので、心配しないでください。今後の運営もサポートいたしますので、そのつど問題提起をいたしたいと思います。

【D様】
ちなみに、一般社団法人を選ぶメリットって何なんだ?

【関川】
色々あります。株式会社か、一般社団法人かで悩まれる方には、以下のメリットを上げることができます。まず、表向きは営利団体でないことです。D様の事業のような、慈善活動等の要素も含まれる事業を行う場合、その運営会社を株式会社にするよりも、一般社団法人にしたほうが、取引先に受け入れやすいと考えられます。社名の付け方から、ビジネスの勝負が決まってくるのと同じように、法人形態の選び方も、マーケティング戦略の一環であると考えられるからです。次に、資本金が登記されないことです。株式会社が1円の資本金で設立できるようになった時ことは、記憶に新しいかと思いますが、実際取引をする際に登記簿の提示を求められて、その時に「資本金1円」という登記簿を相手方に見せるのは、少々恥ずかしいですよね。しかも、相手方の印象も決してよくなるとも思えません。その点におきましては、一般社団法人は資本金の登記がされないため、そのような問題が生じる可能性は少なくなります。あとは、設立時の税金が9万円程度安いこと、肩書に「理事」という名前を載せることができることなど、そのほかにも(略)

【D様】
逆に、一般社団法人が適していない事業ってあるのかな?

【関川】
基本的には、株式会社になじむ事業であれば、すべて一般社団法人での事業にもなじみます。ただ、金融商品取引法上の許可を得たい場合や、IPO(株式上場)を考えられている時には、お勧めできません。その点に関しましては、D様の事業に関しては問題ないのではないでしょうか。



【D様】
そうなのか。実は、今考えている事業を株式会社でやるってことには、若干不安な部分もあってね。社団法人を作ってみようかな・・・

【関川】
そうですね、まずは、一般社団法人を作ることを目標に、それと並行して事業計画も固めていきましょうか。

【D様】
今度、知り合いのコンサルタントと話し合いをするから、同行してくれよ。

【関川】
喜んで、お供いたします。

【今回の会社設立でかかった会社設立費用】
※今回は、通常サービスを適用いたしました。
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【司法書士報酬】
■定款作成・・・8万円
■その他書類作成・・・1万円
■相談料金(4時間)・・・4万5000円 ※初回1時間までは無料
■設立登記申請・・・1万円
■公証役場認証・・・1万円税金など
■税金など・・・11万円
合計・・・・・・・26万5000円

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